毎日の業務やノルマと戦っている営業の皆様、本当にお疲れ様です。ご多忙の中当サイトを訪問頂きありがとうございます。
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はじめに
今回は私が二種類の業界でルート営業を行ってきた経験から、(どちらともメーカー代理店です)ルート営業、特に販売店営業に対する考えや実際に取った行動を紹介していきます。宜しければ日常の業務やご自身の営業戦略に活用ください。
【営業活動の種類】
まず前提として営業形態は大きく分けて2種類があります。
①ルート営業
②直需営業
①のルート営業はその名の通り、自社製品を販売会社を通じてエンドユーザーに卸す、まさにルートを通って製品を流通させるやり方です。②の直需営業は販売会社を経由せずにエンドユーザーへ直接販売するやり方です。そして、今②の直需営業に力を入れている会社がかなり増えています。(今というよりここ10年くらい前からです)そもそもルート営業は製造を行ったメーカーが自社で営業を行うより、販売会社へ価格を下げて拡販をお願いした方が、効率が良いと考えられ始まったものです。ところが近年では販売会社の営業に自社製品を販売できるだけの能力が無い、もしくは販売する気が無いという事態が起きています。特に一つの製品に様々な機能が追加されてきている近年の製品は多数のメーカー製品を扱う販売会社が自社製品の全てを理解するのは難しい気はします。
【ルート営業の種類】
実際にルート営業といっても顧客次第では様々な形態があります。
・セットメーカーに決まった製品を決まった数量を毎月卸す「セットメーカー営業」
・実際に工事を行う会社に製品や資材を卸す「設備店営業」
・販売商社へ自社製品を卸し拡販を狙う「販売店営業」
大きく分けるとこの3つです。
【ルート営業の実態】
セットメーカー営業は顧客の設計に自社製品が入り込めば、トラブルが無い限りしばらくは安泰で、設備店は工事や修理をしながら大口の注文をエンドユーザーから貰ってくることが多く、この二つがある限りルート営業は無くなりません。問題は販売店営業です。本来は効率を重視して販売店へ製品のプレゼンや営業を掛け、拡販を依頼してきました。ですが現状はそんなに都合よくいきません。
例えばA社営業より「説明ができないから一緒に顧客に行って説明してくれ」だったり、A社が注文を貰っていてかつ当社が見積提示していた案件を複数メーカーの見積を取り安いメーカーに発注、もしくはそれをネタに価格を下げられるということが発生しています。販売会社は伝票粗利で利益を上げているので致し方ない部分もあるかと思いますが、これでは販売会社にプレゼンをし、営業し、エンドユーザーにも営業する、最終的には価格を叩かれて薄利での受注となる。という効率化とは逆の方へ進んでいます。このような経験をを何回もすると考えが変わります。「もうA社は商流に入れずに自社でエンドユーザーへ営業し注文を貰った方がいいな」担当営業の私だけでなく上司までそうなってきました。いろんな会社が直需営業に走る気持ちがわかります。私は見切りをつけたというより疲れてしまったので、A社とは距離を置こうと思うようになりました。A社との関係やそこの売上が減っても良いのか?との疑問もありますが、A社は年間どれ程の売上でしょうか?もしくはどれだけの時間を費やしているでしょうか?販売会社を相手なら自分の2割程の時間で予算の15%~20%を見込めないなら真剣にお付き合いしない方がいいです。年々営業の予算目標は増加しています。自分の月予算の平均が仮に2,000万だとしたら、最低でも月300万は欲しいところです。そうでないと割が合いません。私の中でA社はそうではありませんでした。
【ルート営業の最高の状態は自分が動かなくても勝手に注文が入り売上が上がること】
誤解が無いように説明すると自分はサボって会社にいる人に仕事を任せるということではありません。最新の製品ができたら説明にも行きますし、発注のお礼にも伺います。顧客の技術的な問合せにも答えられるよう製品知識の習得にも励まなくてはいけません。もちろんここぞという時は同行もします。ただしお付き合いする顧客を選びます。シェアを伸ばせる余地がある顧客や現状維持が必須な顧客、案件の決定率が高い顧客を中心に毎月の安定した数字を得、足りない部分をその時に案件を持っている顧客に営業を掛けるというイメージです。一番やってはいけないのが、決定する確率が低い案件や時間のかかる箱物の見積に時間を使わないことです。お付き合い見積はやめましょう。
【販売会社が不要ではない】
ここまで書いた内容だと販売会社が必要ないようにも見えますが、そんなことはありません。メーカー側の提案力や説明が足りていないことも多々あるのです。それに会社にはそれぞれのやり方があり、A社のような状態の場合、販売方法や営業に対する考え方が違い、一緒に商売はできないなと判断しただけのことです。
【いろいろなメーカーから仕入れている営業の方へ】
いつものように営業に行ったら、ある仕入先と何故か競合になっていたということがありませんか?そういう時は仕入先の営業戦略が変わった可能性があります。つまり今後あなたの会社と競合相手になるということです。会社としてどれ程発注していたでしょうか。決定しない見積ばかりさせていなかったでしょうか。得意先が減るのと同じように仕入先も減る可能性はあります。
最後に
働き方改革で業務の効率化と言われる中で、各社営業活動の見直しがされつつも予算は増え続けます。結果的に一つの注文にあまり時間を掛けられなくなり、効率の良い顧客に営業は通うことになります。今の時代は、決められた時間で予算を達成するスキルが要求されています。昔からの付き合いという考えを脱却し、冷静にどの顧客を伸ばし、どこを新規開拓し、どの顧客との付き合いをやめると真剣に考える時代に入っていると筆者は感じ、少し寂しさを感じながらも日々過ごしています。